苦手な人でも大丈夫!密度の式を「はじき」「みはじ」形式で覚える「しみた」【理科】

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

理科の授業で、密度の計算が出てきて「うわ、なんか難しそう…」と感じたことはありませんか? 密度は質量を体積で割ったものだと分かっていても、初めてだと、ましてや数学が苦手だと、覚えるのに一苦労という人もいるかもしれません。中学校の理科で登場する計算のほとんど全ては「割合計算」です。そのため、苦手な人にとっては、大きな山場となってしまうことが多いようです。

でも、安心してください。実は、この密度計算は、小学校で学習した「ある計算」とそっくりな構造をしています。そのヒントは、みんながよく知っているあの「み・は・じ」です。そして、その魔法の呪文を応用すれば、密度計算もあっという間に解けるようになります。

密度計算は「み・は・じ」の親戚?

まずは、密度の式を見てみましょう。

密度[g/cm3]=質量[g]/体積[cm3]

 この式が苦手でも、大丈夫です。ポイントは、単位の中に隠されています。密度の単位「g/cm3」は、**「g(質量)をcm3(体積)で割る」**という意味なのです。スラッシュ(/)は、割り算(÷)を表しているんですね。

なぜ、わざわざ質量を体積で割るのでしょうか?それは、**「同じ大きさにしたときに、どれくらいの重さになるか」**を比べるためです。同じ体積で比べると、物質によって重さが違うことが分かります。この性質を利用して、物質を分類することができるのです。

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さて、この「/」の入った単位の構造、小学校で見たことがあるでしょう? そう、それは**「速さ」**の式です。

速さ[m/秒]=道のり[m]/時間[秒]

 単位をよく見ると、m/s(メートル毎秒)は、「道のり(m)を時間(s)で割る」という意味で、密度の単位と全く同じ構造になっています。

魔法の呪文「しみ・た」で解けます!

速さの計算では、**「み・は・じ」**という魔法の呪文を唱えませんでしたか?

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この図は、知りたいものを指で隠すと、残った文字で計算式が分かるという、とても便利なツールです。例えば、「時間」を知りたければ、「じ」を隠すと、「道のり」の上に「速さ」が残りますから、「道のり÷速さ」だとすぐに分かります。

密度の計算も同じように、魔法の呪文を作ってしまいましょう。質量・密度・体積の頭文字をとって、**「し・み・た」**と覚えるのです。

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「染みた」と覚えることができますね!

密度=質量/体積

 この図を使えば、「体積」を知りたければ「た」を隠して「質量÷密度」だと瞬時に分かります。このように、今までの学習と結びつけて、自分で覚え方を工夫してみるといいかもしれません。

ただし、全員がこの方法で覚えるべきだという意味で紹介しているわけではありません。この図は、あくまで**「覚えるためのとっかかり」**です。今までの自分に合った覚え方を再利用したり、図式化して捉えたりすることは、社会に出てからも、新しいことを学ぶときに役立つ重要なスキルです。いつかはこの円から卒業して、単位や意味合いからスッと関係式を導き出せるようになると、さらに理科が楽しくなりますよ。

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